Interview OBOGのその後

青山晃広

「名無しでも小さな一歩から始めればいい。」774 OBの青山さんが得た事業づくりの感覚。

大学院生 (参加当時)

青山晃広さん
774第1期参加者

774第1期(2020年4月~7月)メンバーである青山さんは、774に参加し、大学院を卒業した後、2年間の期限付きで経営者の右腕として働くVENTURE FOR JAPANに参加するキャリア選択をしました。このインタビューでは、現在(2021年10月現在)、福島県の企業で、経営者と共に新規事業開発や様々な経営課題の解決に挑み、経営者修行を行っている青山さんに、774での経験が今にどう活きているか等についてお伺いしていきます。

どんなことを考え、現在のキャリア選択をしたのでしょうか?

774が修了した後は、大学院の卒業が控えていたので、その後の進路を選択をしなければいけない状況でした。その際、自分の中でチャレンジって何なんだろう?って考えたんですね。同時に浮かんできたのが、未来が一番想像できないものがチャレンジなんじゃないかと思ったのと、加えて、自分が目指す将来のイメージがチャレンジし続ける大人でありたいということだったので、経営者の右腕として2年間の期限付きで働く、今の現場を選びました。

今は新入社員という立場ではなく、社長と一緒に事業開発を行い、全方位的な事業のディレクションを行う中で、人事、採用、財務などシビアな経営課題にどう対応していくかといったことを経営者視点で考える日々を送っています。

現在のキャリア選択に、774が何かしら影響を与えていた部分はあったでしょうか?

けっこう影響があったと思っていて、主には2つあります。まず一つ目は、774の中で新しいものをチームで生み出す喜びを実際に感じることができたことです。スピード感を持って、新しいものをチームで生み出していくのは当然ながら大変なことも色々とありました。でもその分、 初めて自分たちが生み出した商品やサービスが売れた時、それまでのきつかった想いが一気に逆転する感覚を774の中で経験しました。

2つ目としては、生々しい話かもしれませんが、お金を稼ぐことに喜びを感じました、774に参加するまでは、イベントを企画して実施するときに、収益性や持続性を度外視した低い単価設定をしたりとかしていました。774では、しっかりと単価設定をして、商品提供を行ったので、実際に売れた時の喜びが大きかったです。お金もきちんと入り、お客さんも、商品提供する際のパートナーさんもすごく喜んでいて、新規事業とかビジネスを創るということの醍醐味を感じました。こういった経験を774の中でできたことが、現在のキャリア選択に影響を与えてくれたと思います。

774を経験する前から、自分で事業や仕事をつくっていくことに関心があったとのことですが、774を通じて、それらに対するイメージは変わりましたか?

小さく始めていいんだなってすごく思いました。実は、774でゼロから事業をつくる経験をするまでは、大きなビジョンや未来を描いたとしても、実現できるのかどうか懐疑的だったんです。でも、774の中で小さく事業を始めて、コツコツと実績を積み重ねていった中で、だんだん雪だるま式にできることが増え、事業が大きくなっていくことを経験しました。ソフトバンクの孫さんや、アマゾンのジェフ・ベゾスさん、facebookのマーク・ザッカーバーグさんも、最初は名無しの状況で本当にちっちゃいところから始めて、今のように事業を大きくしていったと思うのですが、そのことを肌で感じることができました。

もう1つは、正解が何かわからない中でも、試行錯誤することの大切さです。これは、僕が好きな話を交えてお話させてください。例えば、プロの絵描きは壺の絵をどう描いていくと思いますか?絵のプロは背景や壺以外の要素から描いていきます。それは客観的に見ると何を描いているんだろうと思うのですが、描き進められる絵を見ていると、だんだんと壺が浮き上がってくるんです。新しいものやことを作るのはそれに近いのかなって感じられるようになりました。新しい価値や事業をつくるとき、自分たちでも、第三者から見ても、これが正解だ!っていう道は、ぱっとはわからないと思ってます。ただ、正解が何かわからない中でも、試行錯誤しているうちに、答えや進むべき道が見えてくるということを実感することができました。

774の中で今でも印象に残っているエピソードは何かありますか?また、そこから何を学び、今にどう活きていますか?

774で自分たちのチームは、コロナ禍で困っている人を助けたいという想いのもと、ロスフラワーに着目して商品をつくっていきました。最初は、困っているのはお花屋さんだろうということで商品を展開していたのですが、実際にやってみたところ、お花屋さんの反応が想像していたよりも悪く、あれ?あんまり困ってないのかな?と思いました。そういった経験を通じて、お花屋さんよりもお花農家さんの方が困っているということが分かっていったんですね。その時点でいくつかのお花屋さんと提携関係にあったので、ものすごい葛藤もありましたが、そこから一気に方向転換して、静岡のお花農家さんを新たなパートナーとして商品を展開していくようにしました。お花農家さんと課題感や気持ちを分かち合いながら進めることができたことで、そこから事業がすごく上手くいくようになりました。その経験から、自分たちが走ってる方向に違和感を持ったら立ち止まり、必要があるならば勇気を持って舵を切ることが大事だと感じるようになりました。

774を修了してから1年が経過し、今だからこそ感じることはありますか?

774のコミュニティに入っていて良かったなって思うようになっています。というのも、774のプログラム期間が終わった後も、SNSとかで同期メンバーが頑張っている姿や、事務局やコーディネーターの方が活躍している様子が見えたりすると、自分も頑張ろうって思ったりするし、774後もそういった関係性が続いているっていうのは、自分に良い刺激を与えてくれていると思います。

あと、チームって良いことばかりではなくて、難しいなって思うこともあるんですね。ただ一方で、チームだったら喜びも苦しみも分かち合える。個人で何かに挑戦するよりも、チームや組織をつくって挑戦する方が、自分にとっては楽しいんじゃないかと思っていたので、774の中でそれを経験できたことは大きな収穫でした。